Facts about QPBGM / QPBGM の事実あれこれ

全曲目紹介広告の登場


 QPBGMを熱心に聞く人にとって、曲目の紹介が番組の最後に読まれるだけというのはちょっと不便だったが、 1975(昭和50)年4月13日(日)から、朝日新聞のテレビ・ラジオ欄の片隅に「全曲目紹介広告」が掲載されるようになった。 (左の図が当日の新聞) 関東以外の新聞に掲載されていたかは不明。
 もちろんラジオ番組紹介のTBS(関東以外はネット局)の欄にも番組のことは書かれているが、朝日新聞東京版の場合 「10:00 バックグラウンドM コメプリマほか
という形だけなので、それまでは事前に曲目を知ることは実質的に不可能だった。
 ただし、曲目の紹介が中心で、番組中のCM同様これでは企業の宣伝にはならない、宣伝なのかどうか分からない宣伝である。

 なお、4月13日というのは中途半端な日付だが、その前の週4月6日の同欄には広告は見あたらない。
 この全曲目紹介広告の廃止時期はよく分からないが、1981(昭和56)年の新聞にはすでに見られなくなっている。
(注)「全曲目紹介広告」という名称は、私が便宜的に付けた名称です。従って、他の人が用いたものの真似ではなく、逆に他の人が使っているとすると私の真似である可能性があります。

全曲目紹介広告の変遷

1975(昭和50)年4月13日(日)から6月29日までの初代。12回使われただけ。後のものと比べると縦のサイズが半分ほどである。「聞きましょう!午前10時TBSラジオ キユーピーBGM」のタイトルは3代続く。
1975(昭和50)年7月6日(日)から9月28日まで、13回使われた2代目。サイズやタイトルの文字は前回と変わらない。最初のものがト音記号を使っていたのに対して、ややデフォルメし黒い部分を目立たせた八分音符を使っている。
3代目。1975(昭和50)年10月5日から1976(昭和51)年7月4日までのタイプで、4分休符をモチーフにしているが、タイトルの文字はまだ同じ。全体のサイズが約2倍になった。半分下に広告らしいものが付いており、それは現在新聞で見受けるものと似ているが、キユーピーの姿が少し異なり、また「キユーピー・マヨネーズ」のロゴが今と異なる。
4代目。1976(昭和51)年7月11日からのタイプ。サイズは変わらず、再び「キユーピー・マヨネーズ」の広告が消えた。3代に渡って使われたタイトルを捨て、「キユーピーBGM」の文字も大きくし、企業や小品の宣伝と言うよりも、番組そのものの宣伝の色彩が強くなった。ただし、それにより番組の生活とも合わせ、キユーピー株式会社のイメージアップにつなげているのかも知れない。再びト音記号に。

 「ききましょう 午前10時」の部分に、「700回記念レコードプレゼント」の一文が書かれた広告もあった。
1977(昭和52)年1月2日のみの特別タイプ。ベースは従来のものと同じだが、お正月らしく、門松の絵が加わっている。
何よりも注目されるのは、「●CMソング 歌は、やまがたすみこ」の一文。 演奏曲目の演奏者すら紹介されないこの番組でCMソングを歌う歌手名を示すのは、異例と言える。
日付が入っているのもこの日だけ。
1978(昭和53)年元旦のみの完全特別タイプ。「あけまして おめでとう ございます。」の賀詞だけでなく、「今日は日曜日 元旦からお送りします。」と力の入れようが表現されている。また、いつもの
「ききましょう!午前10時」が、
「ききましょう、今年も午前10時」
となっている。
1978(昭和53)年10月15日からのタイプ。「提供 キユーピー・マヨネーズ」の文字が入るが、余白を大きく取り、紙面の中で八分音符のタマが目立ち、結果として「キユーピーBGM」の文字に目がいく。曲目の字数が少ない場合は、上に余白を置いたので、ますます余白が広くなる。
なお、ここでも「提供 キユーピー(株式会社)」でなくて、「提供 キユーピー・マヨネーズ」というのが面白い。

おまけ

2006(平成18)年4月30日付朝日新聞掲載の広告
左が現在の広告。上の、1975(昭和50)年当時のものとはキューピーの描き方やロゴが新しい感じになっているが、キューピーの姿は無理に新しさを強調せず、「古き良きもの」の感じを出しているように思える。

この広告を次のように分析しているサイトがある。
> 新聞広告
>
> キユーピーマヨネーズの新聞広告は、キユーピーマヨネーズ300g瓶とシルエット、
> それをバックに料理皿を持ったキユーピーのイラストが描かれたレイアウトになっ
> ている。キユーピーが持っている皿に乗っているのはマヨネーズをかけたサーモン
> である。これはキユーピーマヨネーズが世に出た当初(1920年代)まだ日本では生
> 野菜を食べる習慣がなく、マヨネーズは主に魚料理に使うよう発売されていたため
> である。このレイアウトが60年以上使用されており、現在の広告には「毎日のお食
> 膳に」と記されている。

おまけ2

 キユーピーマヨネーズのや広告の歴史について、詳細な説明をしているサイト「COMZINE by nttコムウェア 2003.9月号」がありました。

おまけ3

 さらに、キユーピーマヨネーズ広告に関係するサイトがありました。
「クリエーターが自ら語る"話題の新聞広告"」
 すでに該当のページは削除されています。以下の内容でした。
> タイムスリップ広告
>
> 2005年10月19日、新聞広告の日の前日。産経新聞が、何十年も前の新聞広告で埋まりました。まるでその時代にタイムスリップしてしまったかのような気分、皆さんにも味わっていただけたでしょうか。この企画には、「明治・大正期の名作広告をそのままのカタチで今の紙面によみがえらせ、生活を支えてきたさまざまな企業・商品の魅力を『生活史』という視点で読者に伝えよう」という意図がありました。
 新たに別のページが「タイムスリップ広告2005」というタイトルで作られています。

おまけ4

メロディ・ホリデー広告  QPBGMを引き継いでいる形の最新の番組である「キユーピー メロディホリデー」(文化放送)は、放送日の新聞に左のような番組の広告を出している。(朝日新聞のみで確認) 曲目を全て紹介する点は、QPBGMの全曲目紹介広告と同じである。
 点線部で切り取ったり折ったりすると、カセットテープのケースにぴったりと収まるサイズになっている。

 番組のホームページ(キユーピー株式会社)では、さらにCDのレーベル名とCD番号までも、掲載している。ただし、次の放送内容が紹介されると、古いものは削除される。



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